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ヤメ研口述試験『玉砕』記 其の四

『玉を砕かれる』と書いて『玉砕』という・・・。

「ヤメ研口述試験『玉砕』記 其の四」は、商標法についてです。

第3ラウンド(商標法)


意匠において『意匠権』と『特許権』とを間違えたために副査に怒鳴られてかなり凹んだが、いつまでも凹んでいてもしょうがないと思い、汚名返上を図るべく商標法に挑む。

監督官に案内され、半ば緊張しつつ、商標法の試験室に入る。

私(机の上にパネル問題がないことを確認し、思わず安堵する)

試験室に入ると、非常に上品で温和そうな女性(主査)が出迎えてくれた。一方、副査は事務的な感じを与える男性で黙々と仕事をこなすタイプに思えた。私の脳内フィルタを通して、例えていうならば、

主査の女性を、上品な名家に育った『マダム』とすれば、

副査は、その忠実なる『黒執事』


といった感じだった。名前を告げるなり、私に向かって主査が話しかけてきた。

主査「あらま。ようこそおいで下さいましたね。ところで、特許法と意匠法の出来のほうはどうでしたか?」

私「いえ・・・あまりに想定外の出来事(←副査に怒鳴られたこと)に戸惑いました・・・」
(悔しそうに唇を噛みしめて、心なしかうなだれるポーズをする)


主査「あら、そうでしたの! それは大変でございましたねえ。そういう時は、一度落ち着いて外の景色でも眺めて下さいな。きっと心が落ち着きますわよ」(優しく微笑みかける)

主査「(窓の外の景色に手のひらを差し向けて)

ほら、大変素晴らしい光景でしょう?

あなたも、そう思いませんこと? オホホ・・・」


(思わず、窓の外に目をやる副査と私)

私「ご配慮いただき、誠にありがとうございます」(主査に向かって、丁寧にお辞儀する)

主査「さあ。外の景色を見て落ち着いたところで、試験のほうを始めましょうか」

私「はい・・・」(覚悟を決める)

主査「大丈夫、慌てずにどうぞ落ち着いて!

あなたなら、きっと出来ますから!」

私「ありがとうございます・・・(マダム)」


主査「これが最後の試験です。ここで是非とも、挽回してくださいね。」

というようなやり取りの後、試験が始まった。

主査の女性は、その言葉使いといい、物腰の柔らかさといい、一見親切そうなタイプに思えたが、油断は大敵。

安心したところで、いきなり『地獄』へ突き落とすタイプ

かもしれないと、あくまで警戒する私であった・・・。

主査「それでは、商標法は、登録異議の申立て・無効審判について質問します。どうぞ、よくお聴きになって下さい」

私(異議申立て・・・正直、あまりうれしくない)

主査「登録異議申し立ては、いつからいつまでできるでしょうか?

私「はい。商標掲載公報発行の日から2月以内に限り、登録異議申し立てを行うことができます

主査「そうですね。それでは、無効審判は、いつからいつまでできるでしょうか?

私「はい。無効審判は、原則、商標権の設定登録から商標権が無効審判によって消滅するまでできます(ここで、我ながら変なことを言っていることに気づく)」

主査「・・・・・・?」(首を傾げる)

私「いえ、失礼しました。原則、商標権の設定登録の日から無効審判を請求できます

主査「ええ。原則は・・・そうですね。それでは、例外はありますか?

私(『例外』と言われて『除斥期間』に気づく)「あ、47条に該当する場合は、無効審判を請求できません

主査「・・・47条とは?

私「いわゆる除斥期間です

主査「そうですね」

(ここまで来て、商標って意外と簡単じゃん、と思い始める私・・・)

主査「それでは、ここから

『相当厳しくなる』とは思いますが、

ぜひとも頑張ってくださいね。オホホ・・・」


私(いきなり『地獄』へ突き落とすのかよぉ~~~っ!)(←魂の叫び)

主査「それでは、除斥期間に掲げられている規定を列挙してください。いえ、各規定の詳しい内容はおっしゃらなくても結構です。条文番号だけを列挙してくだされば十分ですよ

私(条文番号だけでいいのか・・・)

主査「例を申し上げますと、

『何条何項何号かまで正確に』

番号をおっしゃって下さいね。オホホ・・・」


『号』まで正確に言えとは・・・何という重圧・・・orz 

やはり、『仏マダム』ならぬ、『鬼マダム』だった・・・orz


主査「それでは、おっしゃってください」

私「はい。3条。4条1項10号」(さながら、地雷原の上を歩くように慎重に列挙していく

主査「10号ですか? (一瞬の間の後)・・・次は?」

私「11号、12号、14号、15号、17号・・・」(13号の罠にはまらないように注意する

主査&副査(採点用紙?にペンを走らせる)

私「19号・・・

その瞬間、副査のメガネが光った!

・・・ような気がした。

試験室が突如沈黙し、

副査がメモをとる『カリカリ・・・』という無機質な音のみが響く・・・


私(なんか、マズった・・・?)(脳内でしきりに「ミッソー! ミッソー!」アラートが鳴り響く)

主査「・・・19号って、どのような規定でしたか?

私(19号の条文をかいつまんで説明する)

主査「ええ、そうですね。ということは・・・19号は、除斥期間に該当しますか? 本当ですか?

私「あ・・・いえ、19号は除斥期間にはありません

主査「そうですね(にっこり)。それでは、他にありませんか?

私「はい。8条1項、2項、5項、46条1項3号、7条の2第1項です」(以上、3秒くらいで一気に言う)

主査「そうですね。あと、何かありませんか?」

私「え・・・何か?」

主査「例えば、4条1項10号の前に、何かありませんでしたか?

私「あ、はい。4条1項8号があります

主査「そうですね。8号がありますよね」

主査「それでは、次に、除斥期間の趣旨をおっしゃってください」

私「はい。5年間の使用により商標に信用が化体しますので、そのように生じた既存の法律状態を尊重するためです」

主査「では、除斥期間を経過すると、無効理由は無くなるのでしょうか?

私「除斥期間を経過すると、無効審判を請求できなくなります」

主査「それはつまり、無効理由がどうなったためと考えられますか?

私「ええと・・・無効理由は、請求できなくなるので、実質的に無効理由の存在意義はなくなると思います」

主査「つまり、無効理由が無くなるのですね?」

私「ええ・・・まあ・・・」(無効理由が無くなるという表現が妥当かどうか悩む)

主査「無効審判を請求できなくなるのなら、無効理由が無くなったということではないのですか?」(こちらに、同意を求める感じで)

私「はい・・・無効理由は・・・無くなり・・・ます(自信がないため、最後のほうは、蚊の鳴くような小さな声で)」

ヤメケン心の叫び

除斥期間を経過すると無効理由が無くなるって、

ボクはじめて知ったの! ごめんねママ!!
(←おい)


主査「もっと、自分に自信を持って! あなたには、自分が正しい答えを言っているという確信がおありなのでしょう?」(励ますように)

私「はい・・・(マダム)」(←主査の熱意にちょっぴり感動した)

主査「次の質問です。複数の指定商品を有する商標権が存在する場合を考えて下さい。この場合、いくつかの指定商品について無効審判が確定すると、商標権は全体として消滅しますか?

私「いいえ。商標権は、指定商品ごとに消滅します

主査「どうしてですか?」

私(たしか、特許法155条を準用していたように思うが・・・そういう答えを求めているようには思えない)

ここで、口述試験で困ったときに頼りになる、

『趣旨でっちあげ三兄弟』たる、

『酷』様、『公平の観点』様、『国際調和』様


のうち、何にでも適用可能な(要するに、女神まどか並みに何でもありの)

ハイパーアルティメット万能キーワード、

『酷』大明神様に、ご降臨いただくことにした


私「権利者にとって『酷』だからです」(←臆せずに堂々と答えるのがコツ

主査「は・・・? 『酷』・・・ですか? 何で?」(非常に戸惑っている様子

副査「・・・・・・」(思いっきり、怪訝な表情)

私(すかさず、フォローに入る)「商標権は、指定商品ごとに分割移転できますので、一部の指定商品に無効理由が存する場合は、無効理由のない商標権だけを分割できます。そういう観点から考えても、商標権を全て無効にするということは、ありえないです」

主査「商標権の分割は、ひとまず横において、説明してくれませんか?」

私(やべえ・・・さっぱり分かんねえ・・・)(脳内で再び「ミッソー!」アラートが鳴り響く)

ここで悩んでも仕方がないので『酷』大明神様を、

さながらAC-130ガンシップのごとく強力支援すべく、

究極のご本尊たる『法目的(1条)』様に

ご降臨いただくことにした


私「商標というのは、個々の指定商品との関係で信用が化体しますので、商標権を全て消滅させることにすると、無効理由を有しない指定商品との関係で信用が蓄積された商標権まで消滅させることになります。そのようなことは、

『商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、

もって産業の発達に寄与』するという、

商標法1条の法目的に反し、


権利者にとって『酷』といえます」(ここまで、途切れることなく一気にまくしたてる)

主査「なるほど。そのように言われると、たしかにあなたのおっしゃられる通り、権利者に『酷』といえるかもしれませんねえ・・・」

主査(一人感慨深げにしきりにうなずくマダム)

副査「・・・・・・」(めっちゃ不審そうな表情)


主査「それでは、最後の質問です。異議申立ては、指定商品ごとに消滅可能ですか?

私「はい、できます」

(ここで1回目のチャイムが鳴る)

主査「以上で、商標法の試験を終わります。お疲れ様でした。もう帰ってもよろしいですよ」

私「・・・・・・(オワタ)」

その後、私は、間違って洗面所やトイレの扉を開けて、鞄を探しまくるという失態を繰り返し、主査から「クローゼットはそっちじゃなくて、そっち!」と何度も注意され、半ば放心した状態で部屋を後にした

結局、商標法は、その場で趣旨をでっちあげてばかりいたような気がする。当然のことながら、合格したという手応えも確信もないまま、試験は終了した。

もう疲れたよ・・・パトラッシュ・・・

;:.: .                                                  . . .::;
                  . -‐- .,. '  ̄  ` .  _,.-―- 、__,,....ィ
             , ´            ヽ   i    ヽ   '-、
              /                    \ l   ,  ト 、 ~ヽ.___,,,...,.
          /                    ` 、‐ ' 'z__ l ,>-‐''     ,/
          i              人 l、     ヾ    `´      //
          /         ,ィ /  ヽi ヽ. l、   ,|         /   /
          "i     /^ヽ! / !,/ -―-  |,/ |   ハj         そ 人
         i    l ハ i/      ━    ヽ. l/ /           ゙ヾ. ヽ、
         ゙l.   ヽ_             { 、_ソノ   ,.. -  ..、      '; !~
         /ヽ! ,ィ/            `-  ;'    ;'      ` :,    ヽ!
       /  _Y     ヽ      t 、  /_     ':,  ━     ;      ヽ,
      〃´ ̄ 亠─----;:>- 、.  `´ /,,. ';  ,, _  ` 、 _ ,,, .. '         ;"
     i'´          ̄  __ ,,.. -`<´ ;: '",:' ,:'     `  -  、  ,,.. --‐ /
     /l         ,. - ´ /     ヽ`´,. '           ` ~    /l
    i  !         /    /       `'`i   ,.-‐ 、   , ,    ,. -‐'  |
.     l  i     /     l          !  ` -: '    '   ィ       i
    l    !   /       l          \   ,...、__,,.-'' /;'        l
    |   ヽ/         !           `-:イヽ-'  / /       ;リ
   |                i             ` ~ ´  /        ;'
    i                   !                     /       /
.    i                 ヽ  __          _,,,,....ノ       /
   l                   `ー' i~~ ̄ ̄ ̄ ̄          ,〃
    l                    i                 ノ/
;::.: .                                                . . .:.::;
;:;::.:.: . .                                              .: .:.:.:::;:;
;:;:;:.:.:.:. : .         パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。       . : :.:.:::;:;:;
:;::;:;::.:.:.:. :. .          何だかとても眠いんだ。パトラッシュ・・・        . : .:.:.::;::;::;
. '::;:;:;:;::.:.:. :. .                                        . : .:.:.::;:::;:;:'
  ':;:;:;::.:.:.:.:.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .:.:.:.:.::;::;::;::'::
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というわけで、雑談に花の咲いた特許・実用新案法はともかく、副査に怒鳴られて心証を害しまくった意匠法と、その場で趣旨を適当にでっち上げて切り抜けた商標法については、正直あまり自信がありません。それゆえ、特許・実用新案法が仮にA評価だったとしても、今回受けた試験の出来から考えると、

意匠法と商標法のいずれもC評価という可能性も、

大いにあるのではないかと思います・・・orz


ただ、今回の試験で唯一誇れたことは、

試験を通じて一度たりとも法文集を参照することなく、

条文を正確に暗唱できたことくらい


これも、

「バーチャル・エア問答」で繰り返し訓練した成果

だと思います。

逆に、「バーチャル・エア問答」で十分な条文暗唱の訓練を積んでいなかったら、あの口述試験独特のプレッシャーの中、果たして条文を正確に言えたのか、かなり疑問に思います。また、法文集を参照したとしても、間違いなく時間切れになっていたと思います。

私の場合、意匠法が時間的にかなりやばかったにもかかわらず、なんとか時間内に終了したのは、やはり「バーチャル・エア問答」で条文暗唱の訓練をしていたおかげだと思います。

というわけで、長いレポートでしたが、以上で「ヤメ研口述試験『玉砕』記」を終了したいと思います。ここまで読んでくださった皆様、どうもありがとうございました。


.     ∧_∧
     (    )         結局、LECの口述模試のレア問題
     /: ⌒ヽ          今年の口述試験には全く出なかったな・・・
    /:::::: ヽ  \_       江○の予想も、全然当たらなかったし・・・
    |:::::::  ::\____)       レア問題に費やした貴重な時間を返してくれよ
    |:::::   /  \       江○先生・・・教育されるんじゃなかった・・・
    |  、/  /\ \
    |    /.  \ \
    ヽ  ノ    (__つ
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